宅地建物取引業法の改正によって定められた専任媒介契約による不動産情報は、社団法人不動産協会をはじめ業界8団体の認定する「認定流通機構」へ売買などの情報をできるだけ登録し、情報の公開による売買などの契約成約の促進に向けて努力することとされました。
この結果、全国で100を超える「認定流通機構」が設立され、情報の共有化と不動産業者のネットワーク化による不動産流通システムが第一歩を踏み出しました。
相互の機構間の情報交流は閉鎖的か、またはシステムの違いにより情報の交流が不可能なケースも多く、当初ねらった成果を十分にあげることはできませんでした。
平成9(1997)年4月からは4つの指定流通機構に統合され、新体制でスタートしました。
レインズを採用し、需給圏域ごとに一本化された指定流通機構が建設大臣により新たに指定され、「認定流通機構」から役割を引き継ぎました。
こうして現在まで、不動産業界の情報流通はレインズを中心としてオープン化が行われており、宅地建物取引主任者は実質的な担当者としてこれを支えています。
インターネットの普及による情報化の進展は、情報産業としての不動産業に大きな変革をもたらそうとしています。
インターネットのホームページには常時、大量の物件情報が掲示されており、お客さんは自由にその情報を手に入れることが可能となりました。
これによって消費者の選択肢は大幅に拡大しましたが、不動産流通業者にとっては、この「情報のオープン化」の活用と対策が今後の大きな課題となっています。
不動産業の実質的な担い手である宅地建物取引主任者には、いまではパソコンについての基本的な知識は欠かせません。
レインズヘの情報登録や各種の契約書類の作成もパソコン上で行われます。
不動産価格の査定やお客さんへの報告書作成のためのいろいろな情報をインターネットから得ることができます。
不動産情報検索を行うことはもちろんです。
お客さんからの問い合わせなどもメールで寄せられるようになりました。
インターネットの普及は、不動産業と宅地建物取引主任者をますます変化させてゆくでしょう。
宅地建物取引主任者は、不動産業におけるもっとも基本的で必要不可欠な国家資格です。
土地や建物などの不動産は、個人や会社にとっていちばん大きく大切な財産です。
そのような大切な財産の取引に仕事として関係する人は、その取引について公正な立場を守り、実務上・法律上の専門的な知識をもっていなければなりません。
宅地建物取引主任者とは、国家が「宅地建物取引業法」という法律にもとづいて、そのような能力があると認めた人のことで、宅地建物取引に関するスペシャリストとして求められているのです。
一般に土地や建物の取引をあつかう不動産業者は「宅地建物取引業者」といわれますが、これを営むためには宅地建物取引業法によってつぎのように定められています。
宅地建物取引業者は、その事務所ごとに従業員5人につき1人の宅地建物取引主任者を専任でおかなければなりません。
ここにいう宅地建物取引主任者とは成年者で、あとで述べる宅地建物取引主任者試験に合格し、宅地建物取引主任者証の交付を受けた者をいいます。
専任とはアルバイトやパートではなく、その事務所に専属で常勤する社員のことをいいます。
専任の宅地建物取引主任者が退職するなどして、5人に1人の基準を満たさなくなった場合、会社は2週間以内に必要な数の宅地建物取引主任者をそろえなくてはなりません。
それができない場合には、宅地建物取引業の仕事を停止しなくてはならなくなることがあります。
その会社に宅地建物取引にかかわる従業員が100人いれば、そのうち別人はかならず宅地建物取引主任者でなければならないことになります。
したがって宅地建物取引業を営む会社では、つねに余裕をもって宅地建物取引主任者を多めに雇用しておくとともに、宅地建物取引主任者の資格をもっている従業員を優遇している場合が多いようです。
宅地建物取引主任者が行う具体的な仕事としては、つぎの3つの独占業務があり、宅地建物取引業者が宅地建物の取引を行う場合には、宅地建物取引主任者にこの3つの業務を行わせなくてはならないとされています。
宅地建物取引業法によって、資格をもった宅地建物取引主任者にしかできないと定められており、宅地建物取引主任者以外の人が行うと罰則があることをいいます。
そのため宅地建物取引主任者は、取引の関係者から請求があったときは、宅地建物取引主任者証を提示しなければならないことになっています。
建物取引業法に、「宅地建物取引業者は、その業者自身が行う宅地または建物の売買交換や貸借の相手方、あるいはその業者が行う媒介(仲介)に係る売買、交換または貸借の各当事者(以下「宅地建物取引業者の相手方等」)に対して、その者が取得し、又は借りようとしている宅地又は建物に関し、その売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、宅地建物取引主任者に少なくとも次に掲げる事項について、これらの事項を記戦した書面(図面を必要とするときは、図面)を交付して説明をさせなければならない」と定められ、この書面を重要事項説明書といいます。
宅地建物取引主任者として、これらの仕事を行うには、現地に赴いて現場の状況をきちんと把握する能力や、役所などで行政法規による規制の内容を調査する能力、これらの内容を漏れなく記載する能力、それらを説明する能力が必要とされます。
契約書を作成するためには、民法をはじめとする法律知識と、契約内容を有効に記述する能力が必要なのです。
宅地建物取引主任者は、「宅地建物取引業法」という法律にもとづいて認められる国家資格ですので、多くの業種で求められる人材といえます。
比較的小規模な戸建住宅を建てて分譲する業者を建売業者といい、大規模な分譲団地やマンションの開発を行う業者をディベロッパーといいます。
開発業者には、都市開発を行って大規模なビルを建てるようなビル開発業者もあります。
当然、これらの会社は不動産を取りあっかうことがおもな仕事ですから、宅地建物取引主任者は重要な仕事を任されます。
仲介業者や開発業者からの情報によって不動産を売ったり買ったり賃貸したりしています。
この業者も宅地建物取引業者と同様、宅地建物取引主任者を必要とします。
多くの会社が受注競争を繰り広げています。
建設会社は、建物を建設するだけではなく、顧客の要望にしたがって建物を建てるための土地を紹介することによって建物の受注に結びつけています。
ここでも多くの宅地建物取引主任者が活躍しています。
作っている会社では、建築士やインテリアディネーターなどとならんで、住宅についての知識を有している宅地建物取引主任者が必要とされています。
駐車場の賃貸管理からビルの管理まで、大小さまざまな管理会社があります。
他人の不動産を管理するのですから、責任は大きく、宅地建物取引主任者の専門知識は欠かせません。
分で経営を行っていましたが、最近は「所有と経営の分離」がすすみ、専門的な知識と経験およびネットワークをもった会社が賃貸経営を専門に請け負うようになってきました。
このような会社をプロパティ・マネジメント会社といい、宅地建物取引主任者の専門的能力が必要です。
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